昆布締めの作り方【素材別の時間と下ごしらえ早見表】
昆布締めは、湿らせた昆布で挟んで冷蔵庫に置くだけで作れます。魚・野菜・鶏肉それぞれの下ごしらえ、昆布を湿らせるもの、挟む時間を早見表にまとめました。
結論: 湿らせた昆布で挟み、冷蔵庫に置くだけ
昆布締めは、昆布を湿らせ、素材を挟んで冷蔵庫に置けば作れます。火も特別な道具も要りません。
変わるのは3つだけです。素材の下ごしらえ、昆布を何で湿らせるか、どれだけ挟むか。下の表は、出典で確認できた素材ごとの組み合わせです。
| 素材 | 下ごしらえ | 昆布を湿らせるもの | 挟む時間 |
|---|---|---|---|
| 刺身にした魚(サス・タイ・ヒラメなど) | 刻んだ生姜を載せる | 酢を塗る | 一晩(軽く重石をする) |
| ヒラメ(刺身用) | 両面に塩を振って5分程おく | 酢で湿らせる | 冷蔵庫で半日程 |
| 野菜(長芋・大根・水菜など) | 軽く塩を振る | 水で固めにもどす | 一晩から1日 |
| 鶏むね肉 | 酒少々をまぶす | 酒をスプレーする | 3時間から好みの締め加減 |
基本の手順(魚)
農林水産省の資料は、富山の昆布〆の作り方をこう記しています。「昆布の片面に酢を塗り、その上に刺身にした魚を敷き詰め、刻んだ生姜を載せる。その上に昆布を載せ、昆布と魚がしっかりとくっつくようにラップを被せて軽く重石をして一晩寝かせる」。
押さえるところは3つです。昆布は乾いたまま使わず湿らせること、昆布と素材を密着させること、重石で浮きを抑えることです。密着していないと、触れていない部分だけ味が入りません。
魚はカジキマグロが定番とされています。「カジキマグロ(富山県民にサスと呼ばれる)が定番だが、他にもタイやヒラメといった白身魚、富山名産のシロエビやホタルイカなども使われる」と記されており、白身魚が広く使われています。
出典: 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」昆布〆 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/kobu_zime.html
どの昆布を使うか
昆布締め用として売られているものがあります。農林水産省の資料には「昆布〆用の昆布はスーパーなどで販売されている」とあり、種類の指定はありません。
実際に使われている例は確認できます。日本昆布協会のレシピでは、ヒラメに羅臼昆布(8cm×10cmを4枚)、鶏むね肉に真昆布(15cm程度を3枚)が使われています。北海道ぎょれんの資料でも、羅臼昆布の用途に「昆布じめ」が挙げられています。
| 昆布 | 出典に記載の特徴 | 使われている例 |
|---|---|---|
| 羅臼昆布 | 茶褐色で幅が広くやわらか(ぎょれん) | 用途に「昆布じめ」の記載あり。協会のヒラメのレシピ |
| 真昆布 | 幅が広く肉厚(ぎょれん) | 協会の鶏むね肉のレシピ |
時間で何が変わるか
挟む時間は3時間から1日まで幅があります。短いほど素材の食感が残り、長いほど昆布の風味が入ります。
農林水産省の資料は「寝かせる時間の長さによって味わいや身の弾力に違いが出ます」としています。日本昆布協会の鶏むね肉のレシピも「3時間~好きな締め加減で取り出します」と幅を持たせた書き方をしており、正解が1つに決まるものではありません。
野菜については「漬け時間は好みだが、一晩置けば食べられる。しっかり風味を付けたい場合は、一日ほど置く」とされています。初めて作るなら、出典にある時間で一度作り、次から好みに寄せるのが確実です。
塩と、昆布を湿らせるもの
塩は素材の水分を引き出すために使われます。日本昆布協会のレシピでは、ヒラメは「両面に塩を振って5分程おき」、野菜は「軽く塩を振った」と記されています。一方、鶏むね肉のレシピでは塩を使わず、酒少々をまぶしています。
**塩の分量をグラム数で示した出典は見つかりませんでした。** 「両面に振って5分」「軽く振る」までが確認できる範囲です。分量を決め打ちせず、素材の表面に薄く行き渡る程度から試すほうが外しません。
昆布を湿らせるものは素材によって分かれます。魚には酢(農林水産省、協会のヒラメ)、鶏むね肉には酒(協会)、野菜には水(協会。「昆布2枚を水で固めにもどし、キッチンペーパーなどで水分を拭いておく」)です。乾いた昆布は曲がらず、素材に密着しません。
食べ方
そのまま食べられます。農林水産省の資料は「昆布〆された魚は昆布の旨味が移っているため、何も付けずにそのまま食べても良い」としています。
切り方は、協会のレシピではどちらも「そぎ切り」です。ヒラメは「そぎ切りにし」、鶏むね肉は「薄くそぎ切りにし器に並べます」と記されています。繊維に対して斜めに包丁を入れる切り方で、薄く広い断面が出ます。
富山では「ハレの日やおもてなしの一品として振る舞われることが多いが、近年は手軽に購入できるということもあり、日頃からおかずや酒の肴として好んで食されている」とされています。
もともとは保存のための方法だった
昆布締めは、味付けのためではなく保存のために生まれたものです。「江戸時代に、北前船が運んできた北海道の昆布と富山湾で捕れる新鮮な魚を組み合わせて誕生した物」で、「冷蔵庫がなかった当時、生魚を保存する手段として昆布に挟んで余分な水分を吸収する方法が考案された」とされています。
ただし、現代の作り方で何日もつかという目安は、出典に記載がありません。生の魚や肉を使うため、冷蔵庫に入れたうえで早めに食べきる前提で作ってください。
昆布がこの土地に大量に届いた背景は、昆布の歴史と昆布ロードの記事にまとめています。
出典: 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」昆布〆
使った昆布は再利用できるか
出典で再利用の方法が示されているのは「だしを取った後の昆布」についてです。日本昆布協会は、だしがらを「3cm角くらいの使いやすい大きさに切って、ラップで包み冷凍しておいて」とし、佃煮やふりかけなどの活用法を挙げています。
昆布締めに使った昆布を同じように扱えるかは、出典で確認できていません。生の魚や肉の水分を含んでいるため、だしがらと同じ前提では扱えません。無理に使い回さず、素材を替えて続けて使うことも避けるのが無難です。
だしがらの使い道は昆布を使ったレシピ集の記事にまとめています。
関連商品を探す
よくある質問
- 素材で違います。出典で確認できるのは、鶏むね肉が「3時間~好きな締め加減」、ヒラメが「冷蔵庫で半日程」、刺身にした魚と野菜が一晩です。「寝かせる時間の長さによって味わいや身の弾力に違いが出ます」とされています。
- グラム数を示した出典は見つかりませんでした。日本昆布協会のレシピでは、ヒラメは「両面に塩を振って5分程おき」、野菜は「軽く塩を振った」と記されています。鶏むね肉のレシピでは塩を使わず酒をまぶしています。
- 「昆布〆用の昆布はスーパーなどで販売されている」とされ、種類の指定はありません。実際には羅臼昆布(協会のヒラメのレシピ)と真昆布(同・鶏むね肉)が使われています。ぎょれんの資料では羅臼昆布の用途に「昆布じめ」が挙げられています。
- 湿らせて使います。乾いた昆布は曲がらず素材に密着しません。出典では、魚には酢を塗る・酢で湿らせる、鶏むね肉には酒をスプレーする、野菜には水で固めにもどす、と分かれています。
- 「昆布〆された魚は昆布の旨味が移っているため、何も付けずにそのまま食べても良い」とされています(出典: 農林水産省)。
- 日持ちの目安を示した出典は見つかりませんでした。もともとは冷蔵庫のない時代の保存方法ですが、生の魚や肉を使うため、冷蔵庫に入れて早めに食べきる前提で作ってください。
